応用編 第9章
デザイン基礎
「なんかダサい。でも何が悪いのか分からない」——その正体を言語化できるようになる章です。デザインの基本原則を知れば、AIへの指示が的確になり、アプリの見た目が見違えます。
この章のレッスン
9-1デザイン4原則
プロのデザインの土台は、たった4つの原則でできています。これを知るだけで「なんかダサい」の原因の8割が説明できるようになります。
4つの原則
| 原則 | 内容 | ダサさの典型例 |
|---|---|---|
| 近接 | 関係あるものは近くに、無関係なものは離す | ラベルと入力欄が離れていて対応が分からない |
| 整列 | 要素の端や中心を揃える | ボタンや文字の位置がバラバラ |
| 反復 | 同じ役割には同じ見た目を繰り返す | ページごとにボタンの色や形が違う |
| 対比 | 重要なものを大きく・濃く、目立たせる | 全部同じ大きさで、どこを見ればいいか分からない |
「余白」は5つ目の主役
初心者のデザインが窮屈に見える最大の原因は余白不足です。要素を詰め込まず、たっぷりの余白を取る。迷ったら「余白を今の1.5倍に」と指示するだけで、ぐっと洗練されます。
🖐 やってみよう
自分の作ったアプリを開いて、4原則の観点で眺めてみましょう。「揃っていない場所」「詰まりすぎている場所」を3つ見つけたら、それがそのまま改善指示になります。
💡 ここだけ押さえる
・近接・整列・反復・対比+余白。この5語で見た目の問題を言語化できる
・「なんかダサい」→「どの原則が崩れているか」に翻訳して指示する
・「なんかダサい」→「どの原則が崩れているか」に翻訳して指示する
9-2配色とタイポグラフィ
配色は「3色ルール」で破綻しない
- ベースカラー(70%) — 背景。白やごく薄い色
- メインカラー(25%) — アプリの顔。ヘッダーや見出しに
- アクセントカラー(5%) — ボタンや重要表示。1色だけ
色数を増やすほど難易度は上がります。3色+無彩色(黒・グレー・白)に制限するのが、初心者が一番きれいに仕上がる方法です。
文字(タイポグラフィ)の基本
- フォントは1〜2種類まで — 日本語なら「Noto Sans JP」などの定番ゴシックが無難
- サイズに階層をつける — 見出し・本文・補足の3段階。本文は16px以上
- 行間はゆったり — 日本語の本文は行間1.7〜1.9倍が読みやすい
- 真っ黒(#000)を避ける — 濃いグレー(#333等)の方が目に優しく上品
配色指示のプロンプト例
このアプリの配色を整えてください。 - ベース:白〜ごく薄いグレー - メイン:深い青緑(信頼感のある雰囲気) - アクセント:オレンジ系を1色だけ(ボタンと重要表示のみ) - 文字は真っ黒でなく濃いグレー - この3色+無彩色以外は使わないでください
💡 ここだけ押さえる
・配色はベース70%・メイン25%・アクセント5%の3色ルール
・フォント1〜2種類、本文16px以上、行間ゆったり
・「制限」こそが洗練の近道
・フォント1〜2種類、本文16px以上、行間ゆったり
・「制限」こそが洗練の近道
9-3UIパターンとユーザビリティ
UI(ユーザーインターフェース)には、世界中で使い込まれた「定番の型」があります。奇抜さより定番。ユーザーが迷わないことが最優先です。
覚えておきたい定番パターン
- ナビゲーションは上か左 — メニューの定位置。スマホでは下タブかハンバーガーメニュー
- 主ボタンは1画面に1つ — 「今やるべき操作」だけ目立たせる(対比の応用)
- 破壊的操作は遠ざける — 削除ボタンは小さく・離して・確認ダイアログ付きで
- 状態を伝える — 読み込み中はスピナー、成功・失敗はメッセージで必ず知らせる
- 空っぽ画面に案内を — データゼロのとき「+ボタンから最初のタスクを追加しましょう」と表示
スマホファースト
個人向けアプリの利用は大半がスマホです。「スマホで快適→PCにも対応」の順番で考えましょう。チェックポイントは3つ:親指でボタンが押しやすいか(最小44px四方)、文字は拡大せず読めるか、横スクロールが発生していないか。
ユーザビリティ点検のプロンプト
このアプリをUI/UXの観点で点検してください。 - ユーザーが迷いそうな箇所 - スマホでの使いやすさ(ボタンサイズ・配置) - 状態表示(読み込み中・成功・失敗・空状態)の不足 問題点を重要度順にリストアップして、改善案を提案してください。
9-4AIへのデザイン指示を極める
この章で学んだ言葉を使えば、デザイン指示は格段に通じやすくなります。仕上げに、指示の精度を上げる実践テクニックをまとめます。
レベル別・デザイン指示
Lv.1 雰囲気で伝える(最初の方向づけ)
家計簿アプリらしい、信頼感がありつつ親しみやすい デザインにしてください。参考イメージは銀行アプリより 家計簿ノート。丸みと余白多めで。
Lv.2 原則で伝える(構造の修正)
・入力フォームのラベルと入力欄をもっと近接させて ・カード内の要素を左端で整列させて ・保存ボタンだけ対比を強く、他のボタンは控えめに ・全体の余白を1.5倍に
Lv.3 数値で伝える(最終の微調整)
・本文のフォントサイズを16pxに、行間を1.8に ・カードの角丸を12px、影は薄く ・メインカラーを #2D6A4F に統一
さらに効く2つの技
- 実在アプリを参考に挙げる — 「Notionのような」「LINEのような」は大量の情報を一言で伝える最強の指示
- スクリーンショットで対話する — 現状の画面を見せて「ここが窮屈に見える理由と直し方を提案して」と聞くと、AIがデザイナー役になってくれる
🎉 第9章 修了
「雰囲気→原則→数値」と段階を踏んで指示できれば、デザイナーがいなくても十分に美しいアプリが作れます。デザインの言葉は一生モノのスキルです。
📝 第9章 理解度チェック
全問正解できたら次の章へ進みましょう。