第2章

AIの基礎知識

Claude CodeはAIです。相棒となるAIがどんな仕組みで動き、何が得意で何が苦手なのかを知っておくと、付き合い方が一気に上手になります。

この章のレッスン
  1. 生成AIとは何か
  2. AIの得意・不得意とハルシネーション
  3. プロンプトの基本
  4. AIコーディングの世界
  5. ClaudeとClaude Code

2-1生成AIとは何か

ChatGPTやClaudeのような「文章を作るAI」を生成AIと呼びます。その中核にあるのがLLM(大規模言語モデル)という技術です。

仕組みをざっくり理解する

LLMは、インターネット上の膨大な文章を学習して、「この言葉の次には、どんな言葉が来やすいか」を予測する仕組みです。「むかしむかし、あるところに」と来たら次は「おじいさんと」が来やすい——この予測を超高精度で連続させることで、自然な文章やコードを生み出しています。

重要なのは、AIは「理解して考えている」というより「もっともらしい続きを予測している」という点です。この性質が、次のレッスンで学ぶ「得意・不得意」に直結します。

コードも「言葉」である

プログラムのコードも文章の一種なので、LLMは大量のコードを学習することでコードも書けるようになりました。しかも、コードには「正しい書き方」のパターンが自然言語より明確にあるため、AIはコーディングがかなり得意です。

💡 ここだけ押さえる ・生成AIの中核はLLM(大規模言語モデル)
・仕組みは「次に来る言葉の予測」の超高精度版
・コードも言葉の一種なので、AIはコーディングが得意

2-2AIの得意・不得意とハルシネーション

得意なこと苦手なこと
定番パターンのコードを書く世の中に前例が少ない特殊な処理
エラーの原因を推測する「最新すぎる」情報(学習時点以降)
コードの意味を説明するあいまいな指示の意図を完璧に汲むこと
文章の要約・翻訳・整形正確な計算や厳密な事実確認

ハルシネーション — AIの「もっともらしい嘘」

AIは知らないことを聞かれても「分かりません」と言わず、もっともらしい嘘を自信満々に答えてしまうことがあります。これをハルシネーション(幻覚)と呼びます。存在しない機能の使い方を説明したり、実在しないファイル名を出してきたりするのが典型例です。

対策は「検証」を習慣にすること

幸い、コーディングは「動くか動かないか」がすぐ確かめられる分野です。だからこそAI開発と相性が良いのです。

⚠️ 心に刻むこと 「AIの出力は優秀な部下の下書き。最終チェックの責任は自分にある」——この姿勢でいれば、AIとの協働で失敗することはほとんどありません。

2-3プロンプトの基本

AIへの指示文をプロンプトと呼びます。プロンプトの質が、AIの出力の質を決めます。基本原則は4つです。

良いプロンプトの4原則

  1. 具体的に — 「いい感じにして」ではなく「見出しを大きく、背景を薄い青に」
  2. 文脈を伝える — 「誰が・何のために使うものか」を共有する
  3. 完成形を示す — 期待する結果の例やイメージを添える
  4. 一度に欲張らない — 大きな仕事は小分けにして順番に頼む

悪い例と良い例

❌ 悪いプロンプト
ホームページ作って
⭕ 良いプロンプト
自家製パン教室のホームページを作ってください。

【目的】教室の紹介と体験レッスンの申し込み誘導
【ページ構成】トップ、教室紹介、レッスン案内、アクセス
【雰囲気】温かみのある、ナチュラルなデザイン。ベージュ系
【その他】スマホでもきれいに見えるようにしてください

2つ目の例のように、目的・構成・雰囲気・条件を箇条書きで渡すだけで、出力の質は劇的に変わります。

🖐 やってみよう 普段のChatGPTやClaudeへの質問を1つ思い出し、「4原則」に沿って書き直してみましょう。同じ質問でも答えの質が変わることを体感できます。

2-4AIコーディングの世界

AIにコードを書いてもらう方法は、ここ数年で急速に進化してきました。大きく3段階あります。

進化の3段階

  1. チャット型 — ChatGPTなどにコードを書いてもらい、自分でコピペして使う。手軽だが、ファイル管理は全部自分でやる必要がある。
  2. 補完型 — エディタ上でAIがコードの続きを提案してくれる(GitHub Copilotなど)。エンジニア向け。
  3. エージェント型 — AIが自分でファイルを読み書きし、コマンドを実行し、エラーを見て自己修正しながらタスクを完遂する。Claude Codeはここに属します。

エージェント型の何がすごいのか

チャット型では「コードをコピー → ファイルに貼り付け → 実行 → エラーをまたコピーして質問」という往復作業が必要でした。エージェント型のClaude Codeは、この往復をすべてAI自身がやってくれます。あなたは日本語で「こういうアプリを作って」と言うだけ。ファイル作成も実行もエラー修正もAIが進め、要所であなたに確認を求めてきます。

非エンジニアでも個人開発ができる時代になったのは、このエージェント型AIの登場のおかげです。

💡 ここだけ押さえる ・AIコーディングは「チャット型 → 補完型 → エージェント型」と進化
・Claude Codeはエージェント型:ファイル操作も実行も修正もAIが自走
・人間の仕事は「方向を示し、結果を確認する」こと

2-5ClaudeとClaude Code

最後に、これから使うツールの全体像を整理しておきましょう。

Anthropic社とClaude

Claude(クロード)は、米国のAI企業Anthropic(アンソロピック)社が開発するAIです。特にコーディング能力の高さに定評があり、世界中の開発者に使われています。Claudeには利用形態がいくつかあります。

製品形態主な用途
Claude(Web/アプリ)チャット画面会話・文章作成・相談
Claude Codeターミナル/デスクトップエージェント型の開発
APIプログラムから呼ぶ自作アプリへのAI組み込み

料金について

Claude Codeの利用には有料プラン(Proプラン:月額$20〜)への加入が必要です。プランには利用量の上限があり、上位プラン(Max)ほど多く使えます。まずはProプランで十分始められます。

💡 ここだけ押さえる ・Claude = Anthropic社のAI。コーディング能力に定評
・Claude Code = Claudeをエージェント型開発に特化させたツール
・利用には有料プラン(Pro:月額$20〜)が必要

📝 第2章 理解度チェック

全問正解できたら次の章へ進みましょう。