第4章

Claude Codeを使いこなす

起動できるようになったら、次は「上手に働いてもらう」技術です。指示の質、作業の進め方、トラブル対応——プロっぽい開発の型を身につけます。

この章のレッスン
  1. 開発に効く指示の出し方
  2. 計画→実装→確認のループ
  3. Gitとバージョン管理の基本
  4. エラーとの付き合い方
  5. コンテキストを制する者は開発を制す
  6. スキルとMCP — Claude Codeの拡張

4-1開発に効く指示の出し方

第2章で学んだプロンプト4原則を、開発の現場向けに具体化しましょう。

開発指示の黄金フォーマット

テンプレート(コピーして使えます)
【やりたいこと】
(例)家計簿アプリに「月ごとの合計金額」を表示する機能を追加したい

【現状】
(例)支出を1件ずつ登録して一覧表示するところまでできている

【条件・好み】
(例)・一覧の上に合計を大きく表示
      ・デザインは今の雰囲気に合わせる

【お願い】
まず実装方針を日本語で説明してください。
私がOKと言ってから作業を始めてください。

効果絶大な「魔法のひとこと」集

ひとこと効果
「まず方針を説明して。OKと言ってから着手して」暴走防止。手戻りが激減する
「初心者にも分かるように説明しながら進めて」学びながら開発できる
「選択肢が複数あるなら、比較して提案して」判断材料をもらえる
「この変更で影響が出る場所はある?」思わぬ破壊を予防
「動作確認の手順を教えて」自分で検証できる
💡 ここだけ押さえる ・「やりたいこと・現状・条件・お願い」の4点セットで指示する
・「方針説明→OK→着手」の流れを習慣化すると手戻りが激減する

4-2計画→実装→確認のループ

プロの開発は「小さく作って、確認して、また作る」の繰り返しです。AIとの開発でもこのループが最強の型になります。

開発の基本サイクル

  1. 計画 — 今回作る機能を1つに絞り、方針をClaudeと合意する
  2. 実装 — Claudeに作ってもらう
  3. 確認 — 実際にブラウザで動かして自分の目で確かめる
  4. 調整 — 気になる点を伝えて直してもらう → 1に戻る

なぜ「一気に全部」はダメなのか

「家計簿アプリを完成させて」のような丸投げは、一見うまくいきそうで失敗のもとです。理由は2つあります。第一に、途中で方向がずれても気づけません。第二に、出来上がった大量のコードのどこに問題があるか、追えなくなります。

1機能ずつ作って確認する方式なら、問題が起きても「直前の変更が原因」とすぐ分かります。急がば回れ、です。

プランモードを活用する

Claude Codeには、すぐ作業せずまず計画だけを立てるモード(プランモード)があります。Shift+Tabキーで切り替えられ、大きめの機能を作るときは「計画を見てから着手させる」ことができます。レッスン4-1の「方針を説明して」と同じ効果を、機能として使えるものです。

💡 ここだけ押さえる ・「計画→実装→確認→調整」を小さく回すのが鉄則
・1度に頼むのは1機能まで
・確認は必ず自分の目とブラウザで

4-3Gitとバージョン管理の基本

Git(ギット)は、ファイルの変更履歴を記録する仕組みです。「セーブポイントを作れるゲーム」だと思ってください。どれだけ作業しても、セーブした地点にいつでも戻れます。

3つの言葉だけ覚える

用語意味
リポジトリ履歴を記録する保管庫。プロジェクトフォルダごとに1つ
コミットセーブすること。「どんな変更をしたか」のメモ付き
GitHubリポジトリをネット上に保管できるサービス。公開にも使う

操作はClaude Codeに頼めばいい

Gitのコマンドを覚える必要はありません。タイミングだけ意識して、日本語で頼みましょう。

Git操作のプロンプト例
# 開発開始時に1回
このプロジェクトでGitを使えるようにしてください。

# 機能が1つ完成するたびに
ここまでの変更をコミットしてください。
変更内容が分かるメッセージを付けてください。

# 失敗してやり直したいとき
直前のコミットの状態に戻してください。
⚠️ 鉄則 「動く状態になったらコミット」を習慣に。コミットさえしてあれば、AIがコードを壊しても一瞬で戻せます。バージョン管理は非エンジニアにとって最大の保険です。

4-4エラーとの付き合い方

開発にエラーはつきものです。エンジニアでもエラーは毎日出します。大切なのは「エラー=失敗」ではなく「エラー=コンピュータからのヒント付きメッセージ」と捉えることです。

エラー対応の手順

  1. 慌てない — エラーでPCが壊れることはまずありません
  2. エラーメッセージをそのままコピーする
  3. Claude Codeに貼り付けて状況を伝える
エラー報告のプロンプト例
ボタンをクリックしても何も起きません。
ブラウザの開発者ツールに以下のエラーが出ています。
原因を調べて、修正方針を説明してから直してください。

(ここにエラーメッセージを貼り付け)

ブラウザの「開発者ツール」を知っておく

Webアプリのエラーは、ブラウザの開発者ツールに表示されます。開き方はF12キー(またはMacで⌘+Option+I)。「Console」タブに赤い文字でエラーが出ていたら、それをコピーしてClaudeに渡しましょう。

「動くけど何か変」なときの伝え方

エラーが出ない不具合は、期待と現実のギャップを具体的に伝えます。

不具合報告のコツ
【期待する動き】保存ボタンを押すと一覧に追加される
【実際の動き】ボタンを押しても一覧が変わらない
【試したこと】ページを再読み込みすると追加されている
💡 ここだけ押さえる ・エラーはヒント。メッセージを丸ごとコピーしてClaudeへ
・F12で開発者ツール。「Console」の赤い文字に注目
・不具合は「期待・現実・試したこと」の3点で伝える

4-5コンテキストを制する者は開発を制す

AIには「一度に覚えていられる量(コンテキスト)」に上限があります。長く会話を続けると、初期の内容を忘れたり、応答の質が下がったりします。この性質を知っているかどうかで、開発効率が大きく変わります。

コンテキスト管理の実践テクニック

「作業メモをファイルに残す」上級技

長い開発では、Claudeに進捗メモを書かせるのも有効です。

プロンプト例
今日の作業内容と、次回やるべきことを
「メモ.md」というファイルにまとめて保存してください。
次回のセッションではまずこのファイルを読んでください。

こうしておけば、翌日新しいセッションを始めても「メモ.mdを読んで続きをやって」の一言で再開できます。

💡 ここだけ押さえる ・AIの記憶(コンテキスト)には上限がある
・タスク切り替えは /clear、長丁場は /compact
・忘れてほしくないことは「ファイルに書かせる」

4-6スキルとMCP — Claude Codeの拡張

Claude Codeは素のままでも強力ですが、拡張機能でさらに能力を伸ばせます。代表的な2つを知っておきましょう(使いこなすのは慣れてからで十分です)。

スキル(Skills)

特定の作業のやり方を教え込んだ手順書です。たとえば「Excelファイルを作るスキル」「スライド資料を作るスキル」などがあり、対応する作業を頼むとClaudeが自動的に参照して品質の高い成果物を作ります。自分専用のスキルを作ることもできます。

MCP(Model Context Protocol)

Claudeと外部サービスをつなぐ接続規格です。MCPを設定すると、ClaudeがGmailを読んだり、Slackに投稿したり、データベースを操作したりできるようになります。「AIの手が届く範囲を広げるUSBポート」のようなものだと考えてください。

どう使い始めるか

必要になったときに、Claude Code本人に聞くのが一番の近道です。

プロンプト例
Notionと連携したいです。MCPの設定方法を
初心者向けに一歩ずつ案内してください。
💡 ここだけ押さえる ・スキル = 作業の手順書。成果物の品質が上がる
・MCP = 外部サービスとの接続口。AIの行動範囲が広がる
・今は「そういう拡張がある」と知っておくだけでOK

📝 第4章 理解度チェック

全問正解できたら次の章へ進みましょう。